ABOUT JSC
Japan Spider Catalog とは?
Japan Spider Catalog(JSC)は、日本産クモ類の目録・分布記録・画像をまとめたデータベースサイトです。 分類群、地域、文献などを組み合わせて分布記録を調べ、対応する画像を同じアプリ内で閲覧できます。
JSCは、新海明氏らが作成した「CD日本のクモ」を前身として、その情報を継続的に更新し、 より利用しやすい形で引き継ぐためにJSC運営グループが整備しています。
目次を表示
01
JSCでできること
分布を調べる
科・属・種、都道府県、島、著者、文献、出版年、記録のカテゴリーなどを組み合わせ、文献に基づく分布記録を検索できます。
画像を比較する
分類群、分布、画像情報で画像を絞り込み、手元の生体や標本と比較できます。
データを取得する
絞り込んだ記録、目録、著者一覧、引用文献一覧をCSVで取得し、現在の分布図を画像として保存できます。
02
使い方
分布ページ
条件を組み合わせ、記録の根拠までたどる
- 科・属・種や、都道府県・島・著者・文献を選択します。
- 必要に応じて複数選択、出版年、記録のカテゴリーを指定します。
- 範囲選択では、地図上をドラッグして対象範囲を指定します。
- ポリゴンやプロットを選択し、「詳細を表示」から文献、カテゴリー、正確性、備考を確認します。
- 地図右上のダウンロードボタンから、現在の表示範囲を画像として保存できます。
画像ページ
候補を絞り、画像を比較する
- 全項目検索や、科・属・種、地域、画像情報のフィルターで候補を絞ります。
- 「最大画像数」で分類階級と枚数を指定すると、代表的な画像だけを表示できます。
- 画像サイズとラベルを調整し、グリッド、詳細、形質表を切り替えます。
- サムネイルを選択して画像と分類群情報を確認し、画像ごとの権利者とライセンスを確認します。
スマートフォンでも利用できます
画面幅が狭い場合は、フィルターを開閉しながら地図や画像を閲覧できます。主要なページは上部の「分布」「画像」から切り替えます。
03
データを読むときの注意
分布記録と記録数
JSCの分布記録は、文献に掲載された情報をレコード単位で整理したものです。同じ出来事が後続文献に引用された場合、 複数のレコードとして収録されることがあります。そのため、記録数は実際の採集回数、地点数、個体数とは一致しません。
記録のカテゴリー
- オリジナル
- 当該文献が報告元と判断できる記録
- 引用
- 先行文献の記録を引用したもの
- 未確認
- 文献を確認できておらず、オリジナルか引用かを判定できない記録
- 不明
- 文献を確認したものの、オリジナルか引用かを判定しにくい記録
離島データと地図上のプロット
都道府県と島は別の項目として管理しています。「島嶼不明(文献確認済み)」は、文献を確認したものの島を特定できない記録、 「島嶼不明(文献未確認)」は、元文献を確認できず島を特定できない記録です。
現在、個々の分布記録には実際の採集地点を示す緯度・経度が収録されていません。 地図上のプロットは島嶼の代表点を示しており、実際の採集地点ではありません。 将来的には、文献に記載された採集地点の座標化が課題です。
記録の正確性
記録の正確性は、現時点で確認できた文献と分類学的知見に基づいています。「通常」とされた記録についても、 同定の正しさをJSCが保証するものではありません。疑わしい記録のすべてが「要確認・誤同定」として整理されているとは限らず、 分類学的再検討などにより、今後評価が変わる可能性があります。
引用文献の並び順
引用文献一覧は、一般的な引用文献リストに近づけるため、著者名、出版年、文献IDの順で並べています。 日本語表示ではローマ字著者名、日本語以外では英語著者名を並べ替えに使用し、英語著者名を囲む角括弧は並べ替え時に無視します。
04
チュートリアル
手元のクモの同定候補を絞る
- 画像ページで、分かる範囲の科・属、雌雄、成長段階、外観や交尾器などを指定します。
- 候補画像を比較し、似ている分類群を探します。
- 分布ページへ移動し、採集した都道府県や島に既知記録があるか確認します。
- 候補が絞れたら、図鑑、原記載、分類学的再検討などの出版物で識別形質を確認します。
JSCの画像は、同定候補の見当をつけるために利用してください。交尾器の画像も掲載していますが、 見分け方を解説する同定資料ではありません。画像だけで正確に同定できない種も多くあります。
県初記録の可能性を調べる
- 分布ページで種を選び、対象の都道府県で絞り込みます。
- 地図、種リスト、引用文献一覧を確認します。
- 島嶼不明の記録や「要確認・誤同定」の記録も確認します。
- 表示された文献の原文を確認し、学名変更、異名、誤同定、産地表記を調べます。
- 最新の地域目録や、JSC未収録の文献も追加で調査します。
JSCで記録が見つからないことだけを根拠に、県初記録と断定することはできません。 発表前に原典と最新文献を確認し、可能であれば専門家の確認を受けてください。
05
データ利用条件
現行Webアプリから取得したJSCデータは、研究、教育、商用利用、再配布に利用できます。 利用する場合は、下記の指定形式でJSCを引用してください。
データの加工も可能です。ただし、加工した事実を明記し、加工後の内容をJSC公式データと誤認させる表示を行わないでください。 この条件は、写真、外部文献、地図境界データなど、第三者が権利を持つ素材には適用されません。
写真
写真の権利はJSC運営グループではなく、各画像の撮影者または権利者に帰属します。画像ごとに表示されるライセンスに従ってください。 ライセンスが「不明」「その他」「-」または未入力の場合、転載・加工の許諾は与えられていません。 利用を希望する場合は、撮影者または権利者へ確認してください。今後、確認できた画像には順次クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを設定する予定です。
分布図の行政区域界
分布図には、国土交通省「国土数値情報(行政区域データ、全国、平成31年、製品仕様書第2.3版)」を加工して使用しています。 市区町村単位の行政区域を都道府県単位に統合し、TopoJSON形式へ変換したうえで形状を簡素化しています。 分布図を転載・加工する場合は、国土数値情報の利用規約にも従い、出典と加工の事実を明示してください。
行政区域データ(国土数値情報ダウンロードサイト) 国土数値情報の利用規約
出典:国土交通省「国土数値情報(行政区域データ、平成31年)」を加工して作成。 市区町村単位の行政区域を都道府県単位に統合し、TopoJSON形式への変換および形状の簡素化を行っています。
免責
JSCは情報の正確性と更新に努めていますが、完全性・正確性を保証しません。利用によって生じた損害について、JSC運営グループは責任を負いません。
06
引用方法
JSCを利用した場合は、次の形式で引用してください。バージョンと閲覧日は自動で更新されます。
Japan Spider Catalog. (2026). Japan Spider Catalog, ver. 読み込み中. https://japan-spider-catalog.pages.dev/ (accessed ).
07
作成の経緯
1999–2004
「夢」を形に
1999年刊行の『Kishidaia』第77号で、新海明氏は「夢」と題し、日本産クモ類全種リスト、県別クモ類文献リスト、 県別クモリストの作成を提案しました。全種リストは谷川明男氏により2000年に、県別文献リストは新海氏により2001年に公表されました。 その後、安藤昭久氏が開発した生物分布図表示ソフトウェア「SPMAP」が導入され、2004年に「県別クモ類分布図 CD Ver.2004」が公開されました。
2004–2024
「CD日本のクモ」へ
谷川氏による生体・標本写真や、池田博明氏による「クモ生理生態辞典」などが統合され、「CD日本のクモ」へ発展しました。 最終版のver.2024には、文献を確認できた1,699種の分布図と、1,023種の写真が収録されています。
2024
旧Japan Spider Catalogの公開
動作環境の互換性、情報の引き継ぎ、継続的な更新などの課題に対応するため、東京蜘蛛談話会に所属する若手研究者・学生を中心に、 クラウド型ダッシュボードを用いた旧JSCが作成・公開されました。旧JSCでは、日本産クモ類目録、都道府県・島別の分布記録、文献、更新履歴などを横断的に閲覧できるようになりました。
2026
現行Webアプリへの移行
JSC運営グループはデータ構造を見直し、静的ホスティング上で動作するクライアントサイドWebアプリへ移行しました。 現行JSCでは、都道府県と島、オリジナル記録と引用記録を分けて管理し、分布ページと画像ページの条件を連動させています。 複数条件による検索、分布図の濃淡表示、画像の拡大・比較などを実装し、表示速度と更新性も改善しています。
参考文献
- 新海 明 1999. 夢. Kishidaia, 77: 22–24.
- 谷川明男 2000. 日本産クモ類目録(2000年版). Kishidaia, 78: 79–142.
- 新海 明 2001. 県別クモ類文献リストの一覧. Kishidaia, 80: 93–140.
- 新海 明 2005. 夢の一里塚「県別クモ類分布図 Ver.2004」完成までの経緯. 東京蜘蛛談話会通信, 113: 8–10.
- 新海 明・安藤昭久・谷川明男・池田博明・桑田隆生 2024. CD日本のクモ ver.2024. 著者自刊.
- 日髙涼太・鈴木佑弥 2025. CD日本のクモの次世代を作る:Japan Spider Catalogについて. Kishidaia, 126: 123–131.
08
今後の課題
現在の地図は、都道府県の集計と島嶼の代表点を用いた表示です。個々の文献記録に記された採集地を確認し、 実際の地点を座標化していくことが今後の課題です。
また、過去の文献に含まれる誤同定や、分類学的再検討が必要な記録を継続して検証します。 ただし、疑わしい記録のすべてを取り上げられているとは限りません。新しい知見に応じて、記録の評価と分類情報を更新していきます。
09
お問い合わせ・情報提供
誤記、未収録文献、疑わしい同定、島情報、分類学的変更、画像提供などの情報をお寄せください。 連絡時には、可能な範囲で分類群名、都道府県・島、文献情報、該当画面、修正根拠を添えてください。